異曲
いきょく
名詞
標準
文例 · 用例
人夫がヒーローの帽子を失敬しようとする点まで全く同工異曲である。
— 寺田寅彦 『映画雑感(3)』 青空文庫
第一、浅学|寡聞の筆者が、講談、俗話の、佐賀、有馬の化猫は別として、ほとんど馬五郎談と同工異曲なのがちょっと思い出しても二三種あります。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
土田杏村氏が文芸の味は何とも語ることのできぬ味であると言はれるのと同巧異曲である。
— 平林初之輔 『文学の本質について(二)』 青空文庫
しかしもし「一寸法師」の結末が「陰獣」の結末と同巧異曲のものであったとしたら、読者が「怒り出した」という気持ちはわかる。
— 平林初之輔 『「陰獣」その他』 青空文庫
もしも彼らの間に恋の花が咲いたなら、間もなく彼らを取り巻く花と空との明るさはその綿々とした異曲のために曇るであろう。
— 横光利一 『花園の思想』 青空文庫
やはり僕が議論を吹つかければ、忽ち敬して遠ざくる所は室生と同工異曲なり。
— 芥川龍之介 『田端人』 青空文庫
のみならず私の地元踏査に依つて百太夫社は夷社と合祀されて、三條八幡の攝社となつて居り、西宮の夷神社が廣田神社の攝社であり、百太夫社がその末社であるのと同巧異曲であることがわかつた。
— 竹内勝太郎 『淡路人形座訪問』 青空文庫
この民謡は、吾国の蒟蒻問答という落語と、同工異曲……という以上に、同工同曲であって、共に沈黙の雄弁さを示すものである。
— 豊島与志雄 『「沈黙」の話』 青空文庫