来異
らいこと
名詞
標準
文例 · 用例
久八は、永年の神経痛が薬師如来の信仰で癒おったとか云うので、それ以来異常な狂信を抱く様になり、ついぞ此の一月退院するまで、郊外の癲狂院で暮していたのであった。
— 小栗虫太郎 『後光殺人事件』 青空文庫
しかしアラビア人一般の心情は、元来異教に対して容赦のなかった僧侶らのために大分違った方へ導かれていたために、決して科学向きにはなっていなかった。
— スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 『宇宙の始まり』 青空文庫
大東亜の指導民族を以て任ずるわれわれ日本人は、武道に於ても古来重んぜられたこの「品位」なるものを、社会万般の活動を通じて、益々発揮しなければ、将来異民族の信望をかち得ることは断じてできないのであります。
— ――力としての文化 第一話 『文化とは』 青空文庫
この持ち時間、二十四時間だか六時間だか、とにかく、時間制始まって以来異例の対局で、何ヶ月かにわたって、骨をけずるような争碁を打ったことがある。
— 坂口安吾 『呉清源』 青空文庫
私はたゞ、消耗する体力と闘いながら、一途に人間を追及しただけで、その人間像に異常なところが在るとすれば、それは私が異常なためではなくて、あらゆる人間が本来異常なものであるためだ。
— 坂口安吾 『わが精神の周囲』 青空文庫
その夷俘が蝦夷なるべきことにつきては古来異議なけれども、「俘囚はもと是れ王民なり」との『江次第抄』の記事は、しばしば俘囚をもって内地人の夷のために略せられたりしものの後なりとするの説を生じ、この論すこぶる世に喧伝せられたれば、余輩はこの点につきて、特に力説するところありき。
— 喜田貞吉 『武士を夷ということの考』 青空文庫
」「俺には元来異存がないから、お前さえ宜ければ宜いと言うのさ」「友三郎は少し私の方の続き合いになっていますが、それだから貰うんじゃありませんよ。
— 佐々木邦 『脱線息子』 青空文庫
一番目の活動については、人間本性において現れる推論と、本来異ならない、即ち、異なる原理には基づかない推論から生ずる、と断言しよう。
— A Treatise of Human Nature 『人間本性論(人性論)』 青空文庫