悪徳者
あくとくしゃ
名詞
標準
文例 · 用例
ああ、もういっそ、悪徳者として生き伸びてやろうか。
— 太宰治 『走れメロス』 青空文庫
かえって僕のようにたくさんの欠点をもっていて、罪を犯してばかりいる悪徳者こそ、クリスチャンの選手になるのです。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
芸術の世界では、悪徳者ほど、はばをきかせているものだ、と誰がそんな口碑を教えたものか、たしかにそれを信じていた。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
これでも私は、悪徳者か。
— ――ひそひそ聞える。なんだか聞える。 『鴎』 青空文庫
人間の世に於いて、みじめな、敗者、悪徳者を指差していう言葉のようですが、自分は、自分を生れた時からの日蔭者のような気がしていて、世間から、あれは日蔭者だと指差されている程のひとと逢うと、自分は、必ず、優しい心になるのです。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
みだりに神の名を口にせず、私のような悪徳者のところへも度々たずねて来てくれて、私が、その人の前で酒を呑み、大いに酔っても、べつに叱りも致しません。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫