亜鉛板
あえんばん
名詞
標準
zinc plate
文例 · 用例
宅の洗面台はきわめて粗末な普通のいわゆる流しになっていて、木製の箱の上に亜鉛板を張ったものであるが、それが凹凸があって下の板としっくり密着していないために、洗面鉢の水が動揺するにつれて鉢自身がやはり少しの傾斜振動をする。
— 寺田寅彦 『日常身辺の物理的諸問題』 青空文庫
そのうちに新聞社や、聯隊へ宛ててドシドシ同情金が送りつけて来たが、中には女の名前で、大枚「金五十円也」を寄贈するものが出来たりしたので、西村さんは急に金持ちになったらしく、同じ部落の者の世話で、母親の寝ている蒲鉾小舎を、家らしい形の亜鉛板張りに建て換えたりした。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
――屋根は、見るからに軽々しい亜鉛板で葺いてあつた。
— 牧野信一 『悪筆』 青空文庫
)そんな日の私に最も毒なあの生々しい亜鉛板がザラザラと眼の先きにちらついて私は、思はず唇を閉ぢて頤を襟に埋めた。
— 牧野信一 『悪筆』 青空文庫
焼けた材木を伝い、焼落ちた屋根の亜鉛板を踏んで、美術書の陳んでいた辺へ行くと、一列のフォリオ形の美術書が奇麗に頭を揃えて建てたなりに、丁度一本の棟木のように真黒けにソックリ其儘原形を残して焼けていた。
— 内田魯庵 『灰燼十万巻(丸善炎上の記)』 青空文庫
高い天井を見上げると、亜鉛板で屋根がふいてあるのが見えるから、地下室ではなくて、これはやはり地上に建っている普通の建物にちがいないと断言したというのである。
— 海野十三 『東京要塞』 青空文庫
半ばやりかかった漆喰の床と、チョコレート色の壁と、亜鉛板を張った天井と、簡単な鉄の肋材と、電灯と、たったそれだけの集った場所に過ぎない。
— 海野十三 『東京要塞』 青空文庫
路地の向うは溝になっていて、板が渡してあったし、その向うは十坪ばかりの空地で、亜鉛板の錆びたのが積み重ねてあったり、瀬戸物のかけらだの、炭俵のぼろだのが捨ててあった。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
作例 · 標準
これは亜鉛板の例句です。