対幅
ついふく
名詞
標準
文例 · 用例
異郷で迎えた正月も数ある中でどうしてこの武雄温泉とナポリと二つの正月が割合に鮮明な絵となって、そうして対幅のようになって残っているのか。
— 寺田寅彦 『二つの正月』 青空文庫
密閉されたガラスの棚には、大きな数十の古硯や古墨その他、古い文房具の犇めくように並んでいる中に混り、八大山人の対幅と、オートイユの競馬の版画が懸けてあって、扁額には「眉子山房」と鳴鶴風の意外に生真面目な字が読まれた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
顔輝筆とも思われる、蝦蟇仙人と鉄拐仙人、二人を描いた対幅が、床一杯に掛けられてある。
— 国枝史郎 『神秘昆虫館』 青空文庫
その外|馬遠の対幅が五百両、牧渓が一幀五百両なり。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
此の絵と対幅を成して、同じ箱の中に入れてある他の一幅は、公の夫人の像である。
— 谷崎潤一郎 『武州公秘話』 青空文庫