辺人
へんにん
名詞
標準
文例 · 用例
今や、信玄の周辺人なく好機逸すべからずとみてとった謙信は馬廻りの剛兵十二騎をしたがえて義信の隊を突破し信玄めがけて殺到して来た。
— 菊池寛 『川中島合戦』 青空文庫
その頃大阪堀江に写真を営業する田辺人方へ紀州の人が上るごとに集まり、件の話に拠ってこれから討ち死にに出掛けようじゃないかなどいう。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
木造洋館は、前庭に向って連ってい、海には船舶が浮んでいるが、四辺人の声というものがしない。
— 宮本百合子 『長崎の印象』 青空文庫
高野の丹生明神が女人と現われて、弘法大師を菩薩と呼んだことが真済の『空海和上伝』にあり、熊野の海辺人が永興禅師を菩薩と呼んだことが、『現報善悪霊異記』にみえている。
— 喜田貞吉 『俗法師考』 青空文庫
あるいはまた密室に跪き四辺人なきのときにおいて、ひそかにわが邦将来のことをば積誠を凝らして上帝に祈る熱心なるキリスト教徒もあらん。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫
独乙人ギンター・シュベルトとリマー・ヘニング来訪、銀田辷人、里馬辺人と名をつけてやる。
— 昭和十二年 『古川ロッパ昭和日記』 青空文庫
試に雙眼鏡を取りて望一望すれば、此連山と相接して、殆んど其腹をなすが如く隆然として高きもの、樹木叢生するものゝ邊人家の簇々として立つをみる。
— 長塚節 『草津行』 青空文庫