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榾火

ほたび
名詞
1
標準
文例 · 用例
渚へおりると船頭小屋には四五人で榾火を焚いて居る。
長塚節 鉛筆日抄 青空文庫
祖父は炉端で、向こう脛を真赤にして榾火をつつきながら、何かしきりに、夜|更かし勝ちな菊枝のことをぶつぶつ言ったり、自分達の若かった時代の青年男女のことを呟いていた。
佐左木俊郎 緑の芽 青空文庫
その時、彼等|父娘はちらちらと崩れかかる榾火を取り巻いて、食後の憩いを息ずいていたのであったが、菊枝は野を吹く微風に嬲られて、ゆれる絹糸の縺れのような煙を凝視めて、悩ましい空想に追い縋るという様子であった。
佐左木俊郎 緑の芽 青空文庫
緑の新芽は思い思いの希望を抱き、榾火はとっぷりと白い灰の中に埋もれていた。
佐左木俊郎 緑の芽 青空文庫
」 妻のおきんは榾火を突つきながら言った。
佐左木俊郎 手品 青空文庫
私は一日も早く父が東京を引揚げて、あの年中|榾火の燃えて居る爐邊の方へ歸つて行つて、老祖母さんやお母さんや、兄夫婦や、それから太助などと一緒に居て貰ひたいと思ひました。
島崎藤村 幼き日 青空文庫
早く東京を引揚げあの年中|榾火の燃える炉辺の方へ帰って行って老祖母さんやお母さんや兄夫婦やそれから正直な家僕などと一緒に居て欲しい。
島崎藤村 桜の実の熟する時 青空文庫
C―家の内儀の手紙を渡し、一泊を請い、直ぐ大囲炉裡の榾火の側に招ぜられた。
若山牧水 みなかみ紀行 青空文庫