油蝉
あぶらぜみ異読 アブラゼミ
名詞
標準
large brown cicada (Graptopsaltria nigrofuscata)
文例 · 用例
その凝固した空気の中から絞り出されるように油蝉の声が降りそそぐ。
— 寺田寅彦 『夕凪と夕風』 青空文庫
油蝉の暑苦しく鳴いている木の下で、私は厚く礼をいって僧と別れた。
— 岡本綺堂 『磯部の若葉』 青空文庫
この百日紅に油蝉がいっぱいたかって、朝っから晩までしゃあしゃあ鳴くので気が狂いかけました。
— 太宰治 『彼は昔の彼ならず』 青空文庫
そこには夏草が繁つて居り、油蝉が木立に鳴いて居た。
— 萩原朔太郎 『夏帽子』 青空文庫
」 導かるるまま、折戸を入ると、そんなに広いと言うではないが、谷間の一軒家と言った形で、三方が高台の森、林に包まれた、ゆっくりした荒れた庭で、むこうに座敷の、縁が涼しく、油蝉の中に閑寂に見えた。
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
時に蝕しつつある太陽を、いやが上に蔽い果さんずる修羅の叫喚の物凄く響くがごとく、油蝉の声の山の根に染み入る中に、英臣は荒らかな声して、「発狂人!
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
日かげが漸く傾き、油蝉が一しきり鳴きさわいだ。
— 木下杢太郎 『少年の死』 青空文庫
季節はそれるが、その形は、油蝉にも似たのである。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
作例 · 標準
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