賭物
とぶつ異読 のりもの
名詞
標準
bet
文例 · 用例
杢逸早くこれを悟りて、きつと思案し、上に向ひて手を支へ、「某重き御役目を蒙り候上は一命を賭物にして何にても心のまゝにいたしたく候。
— 泉鏡太郎 『十萬石』 青空文庫
散策子は、下衆儕と賭物して、鬼が出る宇治橋の夕暮を、唯一騎、東へ打たする思がした。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
われら附添って眷属ども一同守護をいたすに、元来、人足の絶えた空屋を求めて便った処を、唯今眠りおる少年の、身にも命にも替うる願あって、身命を賭物にして、推して草叢に足痕を留めた以来、とかく人出入騒々しく、かたがた妨げに相成るから、われら承って片端から追払うが、弱ったのはこの少年じゃ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
毎夕|納涼台に集る輩は、喋々しく蝦蟇法師の噂をなして、何者にまれ乞食僧の昼間の住家を探り出だして、その来歴を発出さむ者には、賭物として金一円を抛たむと言いあえりき、一夕お通は例の如く野田山に墓参して、家に帰れば日は暮れつ。
— 泉鏡花 『妖僧記』 青空文庫
これかのお通の召使が、未だ何人も知り得ざる蝦蟇法師の居所を探りて、納涼台が賭物したる、若干の金子を得むと、お通の制むるをも肯かずして、そこに追及したりしなり。
— 泉鏡花 『妖僧記』 青空文庫
若干か、お銭にするだろう、と眼光|炬のごとく、賭物の天丼を照らした意気の壮なるに似ず、いいかけて早や物思う。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
源氏も自家の図書室の中の、平生使わない棚の本の中から珍しい詩集を選り出して来て、詩人たちを目だつようにはせずに、しかもおおぜい呼んで左右に人を分けて、よい賭物を出して韻ふたぎに勝負をつけようとした。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
たいそうにはしないで雅趣のある檜破子弁当が出て、勝ち方に出す賭物も多く持参したのである。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
作例 · 標準
どちらの馬が勝つか、次のレースに全財産を賭物としてつぎ込んだ。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
村の祭りで行われる相撲の試合には、毎年豪華な賭物が用意される。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
賭物をして勝負を楽しむのは、古くから人間の本能のようなものだ。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview