何ヶ月か
なんかげつか
表現
標準
a few months
文例 · 用例
お鳥が一たび自分を離れて、また自分の胸中に投じて來た時の樣に、義雄は、失敗しかけた事業をもとの通り早く恢復するには、氷峰のまだ分らない成功を何ヶ月か待つてゐるよりも、小樽の松田の方を何とかまとめるのが近道だと思つてゐる。
— 放浪 『泡鳴五部作』 青空文庫
」こんなことを云ひながら、母は、押し入れから、渠の何ヶ月か觸れたこともない蒲團を出して、洋書の背皮文字が金色や銀色に輝いてる二つの大きな書棚の前に擴げた。
— 毒藥を飮む女 『泡鳴五部作』 青空文庫
可成り大きくなってから一度大病にかかって、何ヶ月かの間生死の境を彷徨うたときなんか、父が枕辺に坐って、笑顔を見せようとしながら却って涙ぐんでいたのを思いだす。
— モーリス・ルヴェル Maurice Level 『父』 青空文庫
ただ何ヶ月か先には、私は、子供を産む支度をしなければならない。
— 林芙美子 『あひびき』 青空文庫
何ヶ月かさきの未來を語りあつたところで、どうにもならない事はよく判りきつてゐたから……。
— 林芙美子 『あひびき』 青空文庫
兎に角、少くとも、何ヶ月かは、暗い所へはいつてゐたのでせう。
— 芥川龍之介 『猿』 青空文庫
ヒンヤリとした水銀柱の感触と一緒に、何ヶ月か前の入院の日を思い出した。
— ――肺病の唄―― 『※の囁き』 青空文庫
殊に今度の――あの謹直堅固なSが、さうした熱烈眞劍な戀を何ヶ月か續けて來て此頃では互ひに一切を棄てゝもと云ふ切迫した状態にまで進んでゐるのだとは、まつたく自分には想像にも及ばないことだつた。
— 葛西善藏 『湖畔手記』 青空文庫