霊火
れいか
名詞
標準
文例 · 用例
しかもこの懐疑の黒煙に天の霊火移りし故、遂に最終章に示すが如き光耀赫々たる大信仰に入ったのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
断雲の絶間より、幽霊火のごとき星の照らす甲板上には、今しも一団の黒影入り乱れて闘いおるなり、人数およそ二十人ばかり、我が帆船の水夫のみにはあらず、オオ、これ何事ぞ!
— 押川春浪 『南極の怪事』 青空文庫
裏門まで来て驚いたのは、さっきまで闇に埋ずもれていた高塀の内側が朦朧と光に照らされていることで、その仄かな光の色が鬼火といおうか幽霊火といおうか、ちょうど夏草の茂みの中へ蝋燭の火を点したような妖気を含んだ青色であるのが特に物凄く思われた。
— 国枝史郎 『大鵬のゆくえ』 青空文庫
闇夜には幾千となき幽霊火が、水うち際にふわふわさすらうか、もしくは波の上にちらちら飛ぶ――すなわち漁夫の呼んで鬼火すなわち魔の火と称する青白い光りである。
— THE STORY OF MIMI-NASHI-HOICHI 『耳無芳一の話』 青空文庫
その背後と周囲と、それから到る処たくさんの墓の上に死者の霊火が蝋燭のように燃えていた。
— THE STORY OF MIMI-NASHI-HOICHI 『耳無芳一の話』 青空文庫
彼が霊火は刻一刻より燃え来れり。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
彼が彼たる所以、唯此一点の霊火を以て全心を把持する故たらずとせむや。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
彼の燃したる革命の聖壇の霊火は煌々として消ゆることなけむ。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫