首桶
くびおけ
名詞
標準
文例 · 用例
それが、黒い袖の桁短かに、皺の想わるる手をぶらりと、首桶か、骨瓶か、風呂敷包を一包提げていた。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
首桶を少し擡げるだけでしたが、観客はみな恐れるように眼を伏せていました。
— 岡本綺堂 『米国の松王劇』 青空文庫
耕雲斎ら四人の首級は首桶に納められ、塩詰めとされたが、その他のものは三|間四方の五つの土穴の中へ投げ込まれた。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
陣笠をかぶった因州の家中の付き添いで、野尻宿の方から来た一つの首桶がそこへ着いた。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
本陣の小忰というところから、宗太は特に問屋の九郎兵衛に許されて、さも重そうにその首桶をさげて見た。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
早くもとの首桶に納めたい、寺の住持|松雲和尚に立ち会ってもらってあの侍の首級を埋めてしまいたい、その考えから彼は獄門三日目の晩の来るのを待ちかねた。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
熊谷が首桶を携えて出ようとするおり、奥から義経の声がして、やがて出て来る。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
入来る両人にて検使を出迎ひ、松王と行逢ひ、附け廻りにて下手にかはる、松王が「蟻のはひ出る」といふ処「相がうがかはる」などと云処にて思入し、「身替の偽首」にて腹に応へし模様見え「玄蕃が権柄」にてはつと刀をさし、右の小脇に首桶をかかへ、二重を上らんとす。
— 三木竹二 『両座の「山門」評』 青空文庫