しばらく前
しばらくまえ
表現副詞
標準
a short time ago
文例 · 用例
向こう側の三人の爆笑とそれに続く沈静との週期的交代の観察に気を取られて、しばらく前方の老人の事を忘れていたが、突然、実に突然にその老人が卓上の呼び鈴をやけくそにたたきつけるけたたましい音に驚かされてそのほうに注意をよびもどされた。
— 寺田寅彦 『三斜晶系』 青空文庫
科学の民族性に対する反駁は最近の課題であるが、之をその階級性と並べて拒けるその拒け方は、しばらく前からの古いやり方の蒸し返しに過ぎぬ。
— 戸坂潤 『哲学の現代的意義』 青空文庫
なぜと云うに、要するに彼はしばらく前、学位を取ったからなのだ。
— 戸坂潤 『友情に関係あるエッセイ』 青空文庫
しばらく前婦人文芸の講演会が高田であって、生田花世、松田解子、森三千代の諸氏が来たそうだが、この人達が云った処によると、この地方の文化的有志は非常に素朴で純真だという話だったそうだ、尤も此の三氏の方もゴソゴソしていたのでこの有志達から女工さんと間違えられたというから、あてにはならぬ。
— 戸坂潤 『『唯研ニュース』』 青空文庫
日本の社会はしばらく前から準戦時体制に這入ったと喧伝されている。
— 戸坂潤 『挙国一致体制と国民生活』 青空文庫
日本に於ける文化ファシズム(勿論日本型の)のために、半官半民の形を以て、援助に出馬したのは、しばらく前からの松本学氏の如き人物である。
— 戸坂潤 『一九三七年を送る日本』 青空文庫
しばらく前までの小林秀雄は何等か体系に近いものを吾々に感じさせた。
— 戸坂潤 『文芸評論の方法について』 青空文庫
不断経を読む僧が夜明けごろに人の代わる時しばらく前の人と同音に唱える経声が尊く聞こえた。
— 総角 『源氏物語』 青空文庫