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紫黒

しこく
名詞
1
標準
文例 · 用例
紫黒の煙が、六百打詰の木箱から、四方へ、大砲を打ったように、ぱあッとひろがった。
黒島傳治 武装せる市街 青空文庫
やっと取り出した虫はかなり大きなものであった、紫黒色の肌がはち切れそうに肥っていて、大きな貪欲そうな口ばしは褐色に光っていた。
寺田寅彦 簔虫と蜘蛛 青空文庫
象牙の篦を結び付けた暗褐色の紐を解いて巻物をすこしばかり開くと、紫黒色の紙に金絵具で、右上から左下へ波紋を作って流れて行く水が描いてあるが、非常に優雅な筆致に見えた。
夢野久作 ドグラ・マグラ 青空文庫
此処のアラビヤ族の黒奴は馬来や印度のに比して一層|毒毒しい紫黒色をして居て、肉も血も骨までも茄子の色を持つて居|相に想はれる。
與謝野寛、與謝野晶子 巴里より 青空文庫
朱や白や代赭や紫黒の、さまざまな熔岩流の層が、瑪瑙のような美しい縞目を見せ、その底を重油の流れのような黒い河が、のたりと動いている。
久生十蘭 地底獣国 青空文庫
従来日本で栽植せられているイチジクは、葉の分裂の少ない型の種でこれに二つの品種があり、すなわちその一は果皮紫黒色、肉白き黒イチジク、その二は果皮白色で微紫色を帯び、肉淡紅の白イチジクである。
牧野富太郎 植物一日一題 青空文庫
かの狩衣などを紫黒色に染めこれをエビ染め、またその色をエビ色というのはこれらブドウの実の熟した色に象どったものである。
牧野富太郎 植物記 青空文庫
附近には岩高蘭、苔桃、蔓苔桃が一面に緑の毛氈――そのすっきりした柔い感じは寧ろ天鵞絨を想わせる――を敷き詰めて、秋十月頃には紅色紫黒色の小果が玉累々たる有様を呈する。
木暮理太郎 秩父の奥山 青空文庫