肉の厚い
にくのあつい
表現形容詞
標準
thick (esp. of muscles, wood, leaves, etc.)
文例 · 用例
鐵縁の眼鏡を掛けた刑事は、肉の厚い額に皺を二三本もりあがらせて微笑みつつ、鬚の肩を叩いた。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
月のいい晩なぞは、よくその松原から浮き上るような面白い音がきこえるので、村の若い者が物好きに覗いてみると蒲鉾小舎の横の空地で、チョンガレ夫婦のペコペコ三味線と四つ竹(肉の厚い竹片を、二枚|宛両手に持って、打ち合わせながら囃すもの)の拍子に合わせて、向う鉢巻の坊主が踊っていたりした。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
この夜更けに、婆さんの癖にどこをほうついてたろう、嫁と喧嘩でもして、出て来たかも判らない、この比は、嫁をいびるよりか、姑をいびる嫁が多いなんて、ひどく婆さんの肩を持って、その方を見ると、黄ろな頬の肉の厚いちょいと因業らしい婆さんですよ。
— 田中貢太郎 『雪の夜の怪』 青空文庫
できるならその肉の厚い男らしい胸をかみ破って、血みどろになりながらその胸の中に顔を埋めこみたい――そういうように葉子は倉地の着物をかんだ。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
3 玉菜が、そのむかし海岸植物として、潮の香のむせるような断崖に育ち、終日白馬のように躍り狂う海を眺めて暮していたのは、真っ直に土におろした根の深さと、肉の厚い葉の強健さとでも知られることだ。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
幹の最下部の二三枚が土葉、土葉の上部の四五枚で肉の薄いのが中葉、中葉の上部の肉の厚い葉全部が本葉であつた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
私の困るようなことを見つけるのがうまくて、ああ困ったと思うと私はすぐ、その弟の大の男並に脊丈と力のある体と、肉の厚い怒った顔つきを思い合わせ、告げ口されることを思って閉口するのであった。
— 宮本百合子 『青春』 青空文庫
この耳は清子も持物の中で一等自慢にしているもので、肉の厚いぽってりとした耳たぼがとても愛らしい。
— 矢田津世子 『茶粥の記』 青空文庫
作例 · 標準
この豚肉は、肉の厚い(にくのあつい)部分を選んだので、食べ応えがあるだろう。
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