断見
だんみ
名詞
標準
文例 · 用例
不断見れば掌ほどの、あの踏切田圃を、何に血迷ってたんだか、正気では分りません。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
その方面の知識に疎い寡聞なる余の頭にさえ、この断見を否定すべき材料は充分あると思う。
— 夏目漱石 『学者と名誉』 青空文庫
けふは霧が冷たく、重く地の上に下りてゐて、少しの眺望も利かないので、不断見える明りが一つも見えない。
— コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 『樺太脱獄記』 青空文庫
鼎足論云、焼則灰、埋則土、何物残而有之者、不知心性猶水去此往彼湛然常住也、凡人死而成畜、畜死而成人、且生天上堕地下者、在乎三国経史矣、言滅而無者何也、断見矣。
— 井上円了 『通俗講義 霊魂不滅論』 青空文庫
断見なるべし」と)『雪窓夜話』にいわく、「霊知|不昧の真心は、人生まれてはじめて生ずるにあらず、人死んでついに滅するにあらず。
— 井上円了 『通俗講義 霊魂不滅論』 青空文庫
まず毎度ながら圓朝の教養は、このまくらにおいては断見の論という一種の唯物論を見事に覆えした釈迦の話から神経病の存在、ひいては幽霊の存在肯定説を簡単に披瀝している。
— 「怪談牡丹燈籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について 『我が圓朝研究』 青空文庫
さらにそれを百倍にふやして見たところで、将来の出来事の内のどれかが法文の中に選抜規定されている数百万というたくさんの出来事の中のどれかにきちんとあてはまり、そこにはもういろいろな異なった判断見方を必要とするいかなる特異な事情も絶対になくなるというようなことには、とてもなりっこないのである。
— ESSAIS DE MONTAIGNE 『モンテーニュ随想録』 青空文庫
―― 足袋跣足で出たと云ふ、今夜は、もしや、あの友染に……あの裾模樣、と思ふけれども、不斷見馴れて氣に染みついた、其の黒繻子に、小辨慶。
— 泉鏡太郎 『三人の盲の話』 青空文庫
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断見(だんけん)とは、因果の法則を無視して、人が一度死ねば、断滅してしまい二度と生まれることがないとする見解で、断滅論(ucchedavādā)ともされ、邪見のひとつ。反対語は常見(じょうけん)。
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