生みの子
うみのこ
名詞
標準
文例 · 用例
熊蔵の云うことも馬鹿にならない、家主の威光と大勢の力とで、猫婆が生みの子よりも可愛がっていたたくさんの猫どもを無体にもぎ取って、それを芝浦の海の底に沈めた。
— 猫騒動 『半七捕物帳』 青空文庫
それがお清という娘で、貰い娘のお安と姉妹のように育てていたが、そうなると人情で生みの子が可愛い、貰い娘が邪魔になる。
— 津の国屋 『半七捕物帳』 青空文庫
老年には生みの子とも見做される情愛が繋がれた。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
ことに自分の生みの子が当主となったので、猶更それを世間に知られることを憚って、表向きは音信不通にすごしていたが、さすがは叔母甥の人情で、時々にそっと紋作をよび寄せて、幾らかの小遣いなどを恵んでくれた。
— 人形使い 『半七捕物帳』 青空文庫
甥とはいいながら師冬は養い子じゃが、おのれは現在の生みの子で、兄と一致して父に刃向うとは……。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
それから唯今の下谷へ引越しまして、相変らずこの商売をいたして居りますが、やっぱり親子の人情で、一日でも生みの子のことを忘れたことはございません。
— 岡本綺堂 『勘平の死』 青空文庫
兄の口から斯う申すも如何でございますが、あれは正直おとなしい女で、角太郎を生みの子供のように大切にして居りましたのに、それを何か世間にありふれた継母根性のようにでも思われますのは如何にも残念でございまして……。
— 岡本綺堂 『勘平の死』 青空文庫
外記が七つになるまで手鹽にかけ、生みの子のやうに可愛がつてくれた乳母だ。
— 岡本綺堂 『箕輪の心中』 青空文庫