堆朱
ついしゅ
名詞
標準
red lacquerware with patterns carved in relief
文例 · 用例
あくる日に行ってみると、私に決めた部屋はすっかり片付いていて、丸窓の下に堆朱の机と、その横に花梨胴の小長火鉢まで据えられていた。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
この宿の堆朱の机の前に座って、片手を小長火鉢の紫檀の縁に翳しながら、晩秋から冬に入りかける河面を丸窓から眺めて、私は大かた半日同じ姿勢で為すことなく暮した。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
さては又腰に提げた堆朱の印籠から青貝の鞘、茶※、白金具という両刀の好みまで優にやさしく、水際立った眼元口元も土佐絵の中から脱け出したよう。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
銀杏返を引約めて、本甲蒔絵の挿櫛根深に、大粒の淡色瑪瑙に金脚の後簪、堆朱彫の玉根掛をして、鬢の一髪をも乱さず、極めて快く結ひ做したり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
いずれは堆朱か、螺鈿細工のご名品にちがいないが、それに珊瑚珠の根付けかなんかご景物になっていたひにゃ、七つ屋へ入牢させても二十金どころはたしかですぜ。
— 千柿の鍔 『右門捕物帖』 青空文庫
父が此の上もなく大切にしている堆朱の棗というのを覗かしてもらいましたら、それは私のおはじきを納れるによい容器のように思われました。
— 鷹野つぎ 『虫干し』 青空文庫
村上名物、堆朱の香入は有難い。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
白牡丹で買ったばかりの古渡りの珊瑚の根掛けや、堆朱の中挿しを、いつかけるような体になられることやらと、そんなことまで心細そうに言い出した。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
作例 · 標準
祖母の家には、美しい花が彫り込まれた堆朱の飾りが置いてある。
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美術館で、室町時代に作られた見事な堆朱の香合を見た。
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この堆朱の菓子器は、何代も受け継がれてきたものだそうだ。
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