機関誌
きかんし
名詞
標準
文例 · 用例
事実かの女は、近年美術季節毎に、権威ある美術批評を載せるラントランシジャン紙上に掲載される十指ほどの画家の中にむす子の名も混っているし、抽象派の機関誌にアルプとかオーザンファン、セリグマンとかいう世界的な元老の作品の頁と並んで載っているむす子の厳格な詩的な瑞々しい画に就いては何の疑いもなかった。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
ジュリアン・バンダがフランス本国から近著した雑誌で、ヴァレリイ、ジイド等の大家を完膚なきまでに否定している一方、ジャン・ポール・サルトルがエグジスタンシアリスム(実存主義)を提唱し、最近|巴里で機関誌「現代」を発行し、巻頭に実存主義文学論を発表している。
— 織田作之助 『可能性の文学』 青空文庫
エグジスタンシアリスムという言葉は、巴里では地下鉄の中でも流行語になっているということだが、日本では本屋の前に行列が作られるのは、老大家をかかえた岩波アカデミズム機関誌の発売日だけである。
— 織田作之助 『可能性の文学』 青空文庫
同人誌や機関誌、パンフレットなど、活版で刷ると高くつく少部数の印刷物が、育ってきた高い技術に支えられて謄写版で作られるようになりました。
— 富田倫生 『本の未来』 青空文庫
ところが高田半峰が長々しい批評を書き、春廼舎もまた矢継早に『小説神髄』(この頃『書生気質』と『小説神髄』とドッチが先きだろうという疑問が若い読書子間にあるらしいが、『神髄』はタシカ早稲田の機関誌の『中央学術雑誌』に初め連載されたのが後に単行本となったので、『書生気質』以後であった。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
尤もこの飜訳は春廼舎を初めビェリンスキーを知らない友人に示すためであって、公けにするツモリはなかったのであるが、その中の一部分が飜訳後|暫らく経ってから冷々亭主人の名で前記した早稲田の機関誌の『中央学術雑誌』に掲載された。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
そして幸徳は毎月その機関誌に通信を送っていた。
— 大杉栄 『日本脱出記』 青空文庫
『文学』という彼らのオルガン〔機関誌〕の題名について、はじめ『左翼』とするつもりであったのが、『文学』となったのであるが、実によい名前だと川端康成は言う。
— 平林初之輔 『昭和四年の文壇の概観』 青空文庫