捨て鐘
すてがね
名詞
標準
文例 · 用例
三つの捨て鐘を打つて、十二|撞の繩を引くのである。
— 横光利一 『草の中』 青空文庫
鐘つき堂の鐘が鳴った―― ふと、青石横町の、母方の祖母の家で、寝ざめや、寝ぎわにきいた、三ツは捨て鐘で、四つめから数えるのだときいたことから外祖母の家を思いだした。
— 長谷川時雨 『古屋島七兵衛』 青空文庫
その捨て鐘が撞き終つた頃。
— 密室 『錢形平次捕物控』 青空文庫
その捨て鐘が撞き終った頃。
— 密室 『銭形平次捕物控』 青空文庫
「七つじゃないか」と彼は云った、「捨て鐘をべつにして、たしかに七つだった、すると刻を間違えたのか」 家で聞いた刻の鐘が七つだと思ったが、それではあれは八つ(午前二時)だったのか、と彼は思った。
— 山本周五郎 『橋の下』 青空文庫
紋床の若いのが酔ったといえば、交番でも棄てて置くは、店の邪魔はせず、往来には突懸らず、ひょろついた揚句が大道へ筋違に寝て、捨鐘を打てば起きて行くまで、当障りはないからであったに、その夜は何と間違ったか、門附の天窓は束髪のまま砕けて取れよう、※呀と傍の者。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
正直に白状して曰く、『然り、今の處、いはば捨鐘也。
— 大町桂月 『小利根川の櫻』 青空文庫
三 小利根川の右岸捨鐘はこれにて濟みたり。
— 大町桂月 『小利根川の櫻』 青空文庫