寒山竹
かんざんちく
名詞
標準
文例 · 用例
それから、もう昔の話だが、寒山竹といふ一種の竹があつた。
— 田山録弥 『中秋の頃』 青空文庫
ところがその私の庭の竹ばかりが駄目なのでなく、その寒山竹といふ一種類の竹が凡そ世界中すべて根絶するのであるといふことがある植物学者によつて語られた。
— 田山録弥 『中秋の頃』 青空文庫
果して二月三月経つと、何処の竹もすべて寒山竹は枯れ出した。
— 田山録弥 『中秋の頃』 青空文庫
岡野の好きな奥の階下の六畳というのは、昼間は薄暗くて、窖のような感じだったが、小さな池に寒山竹と南天をあしらった、狭い二坪か三坪の中庭に臨んで、一寸した濡縁がついていた。
— 豊島与志雄 『操守』 青空文庫
そこは、庭の片隅、心持ち斜面をなしてる上手、寒山竹の茂みを横手にひかえてるところで、枯れた自然木の高い支柱の下半分ほどに、藤の青葉がからみついていました。
— ――近代説話―― 『白藤』 青空文庫
その横手、寒山竹の藪跡らしいところに、ひょろりと伸びた幾筋かの蔓があって、ちぢれた小さな葉を出しかけていました。
— ――近代説話―― 『白藤』 青空文庫
頑丈な門をはいると正面玄関まで二十|間ばかりの石敷|路、玄関から二部屋とおって縁側を三曲り、本堂のまえをずーっとこした行止りの六畳の離れが私の部屋で、北側にはきだし窓があり、障子をあけると綺麗に苔のついた座敷の庭、寒山竹のひとむらが繁っている。
— 中勘助 『独り碁』 青空文庫