届書
とどけしょ
名詞
標準
文例 · 用例
父はこゝで池上から頼まれた仕事で目算書や届書を検べるのに畳の上にごろりと転がりウヰスキーをちび/\飲みながら目を通していました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
卓上にまだあるその届書も見せて呉れた。
— 岡本かの子 『越年』 青空文庫
園は欠席届書を小母さんに託し、不幸というのは父が頓死したのだということを簡単に告げて、座を立つことになった。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
届書を出す時、種類という下へ混血児と書いたり、色という字の下へ赤斑と書いた滑稽も微かに胸に浮んだ。
— 夏目漱石 『硝子戸の中』 青空文庫
そうして見れば、嶺松寺の廃せられた時、境内の無縁の墓が染井共同墓地に遷されたというのは、遷したという一紙の届書が官庁に呈せられたに過ぎぬかも知れない。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
すると大阪の土佐藩邸にいる石川石之助の出した堺事件の届書を返して、更に精しく書き替えて出せと云うことである。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
杉は一応引き取って、両隊長署名の届書を出し、この上|御訊問の筋があるなら、本人に出頭させようと言い添えた。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
筆蹟のいい彼は、客を待つて、届書や証書類の代書をやつてゐた。
— 武田麟太郎 『反逆の呂律』 青空文庫