藍墨
あいずみ
名詞
標準
indigo wax shaped as an inkstick
文例 · 用例
彩色と云っても絵具は雌黄に藍墨に代赭くらいよりしかなかったが、いつか伯父が東京博覧会の土産に水彩絵具を買って来てくれた時は、嬉しくて幾晩も枕元へ置いて寝て、目が覚めるや否や大急ぎで蓋をあけて、しばしば絵具を検査した。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
藍墨の曇りの掃毛目の見える大空から雲は剥れてまくれ立った。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
消え去るあとからあとから、藍墨の掃毛目の空は剥離して雲を供給する。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
川沿いの町はとっぷりと暮れ、藍墨いろの家並と藍墨いろの川の面を籠めた夜霧が、咽喉に冷たく吸い込まれるほど藤紫に濃くなって来ました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
背中へ藍墨で、六文銭を描いて行ったが、濡れ手拭で拭くと、綺麗に消えるよ」「ヘエ――」「すると親分の文身はペテンだったんですね」 とガラッ八。
— お珊文身調べ 『銭形平次捕物控』 青空文庫
背中へ藍墨で、六文錢を描いて行つたが、濡れ手拭で拭くと、綺麗に消えるよ」「へエ――」「すると親分の文身はペテンだつたんですね」 とガラツ八。
— お珊文身調べ 『錢形平次捕物控』 青空文庫
この六万の大将は鄂煥といって、面は藍墨で塗った如く、牙に似た歯を常に唇の外に露わし、怒るときは悪鬼の如く、手に方天戟を使えば、万夫不当、雲南随一という聞えのある猛将だった。
— 出師の巻 『三国志』 青空文庫
作例 · 標準
書道展に向けて、古美術品店で珍しい藍墨を入手した。その深みのある色合いは、作品に独特の風格を与えてくれるだろう。
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展示されている江戸時代の書画には、当時の絵師が愛用したであろう藍墨の跡が、かすかに、しかし確かに見て取れる。
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この伝統的な書道セットには、厳選された顔料と、深みのある色合いを生む上質な藍墨が含まれています。
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「この藍墨、独特の香りがするのね。書いていると心が落ち着くわ」と、彼女は静かに硯に墨をおろした。
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