献差
こんさ
名詞
標準
文例 · 用例
さあ、嘘でない信に一献差すから、その積で受けてもらはう」「はあ、是非戴かして下さいまし」「ああ、もうこれには無い」「無ければ嘘なので御座いませう」「未だ半打の上有るから、あれを皆注いで了はう」「可うございますね」 貫一が老婢を喚ぶ時、お静は逸早く起ち行けり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
堪りかねて道場主高野弥兵衛が出たのを、これも苦もなく打込んでしまう――弥兵衛は無念に堪えないながら、どうしても歯が立たないと見て、止むなく笑顔を作って重太郎を取持ち、一献差上げたいからといって案内する。
— 流転の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
実のところ、席を変へて一献差上げなどしながら充分に御高説拝聴させていただきたいと斯様申上げたい所ではありまするが、生憎のお時間で。
— 坂口安吾 『盗まれた手紙の話』 青空文庫
先ず一献差し上げ乍ら、ゆるゆる懺悔話をいたしましょう」 手を叩くと、心得て居たように、贅を尽した盃盤が運び込まれます。
— 第一夜 初夜を盗む 『新奇談クラブ』 青空文庫
地酒を一|献差上げてはどうじゃ」 柴田文内は、顔見知りのお楽へ、こんな事をねだりました。
— 玉の輿の呪い 『銭形平次捕物控』 青空文庫
皆様御異存がございませんか、――御言葉がなければ御同意下されたことといたし、右様に取極めて、別席にて一献差上げたいと存じます」 堀周吉は言い納めて一座を見渡します。
— 二階の娘 『銭形平次捕物控』 青空文庫
なんとも、お見それ申しやして」と、いとも神妙に、三拝九拝して、一|献差し上げたいという申しいでなのである。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
皆樣御異存が御座いませんか、――御言葉がなければ御同意下されたことといたし、右樣に取極めて、別席にて一|獻差上げたいと存じます」 堀周吉は言ひ納めて一座を見渡します。
— 二階の娘 『錢形平次捕物控』 青空文庫