矚目
矚目
名詞
標準
文例 · 用例
未来の細君をもって矚目された本人へ文をつけた恋の仇とは夢にも知らず、「やあ」と云って武右衛門君に軽く会釈をして椽側へ近い所へ座をしめた。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
されど、市街中に崛起せる觀音山にのぼれば、矚目頗る閑雅也。
— 大町桂月 『常磐の山水』 青空文庫
脚下山雉の渡を帆かけて行く渡舟、さながら白鴎の如く、矚目爽快を極む。
— 大町桂月 『金華山』 青空文庫
その汚れにしまぬひとみには、矚目のものみな象徴であって、永遠の鮮しき光を放つゆえに、願わくば、天使たちの護りいつまでも童男童女たちの上にあれ。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
其が家を離れない間は、単なる叙景詩の芽生えに過ぎないといふ点では、道行きぶりや、矚目発想法や、物尽しから大して離れることが出来ないばかりか、性的な興味を中心にする傾向に向ひさへしたらう。
— 折口信夫 『叙景詩の発生』 青空文庫
新室の宴及び、旅にあつての仮廬祝ぎから出て来た「矚目吟詠」は、次第に叙景詩を分化して来た。
— 万葉集以後の歌風の見わたし 『短歌本質成立の時代』 青空文庫
対句―――畳句↓譬喩 → 枕詞 ← 序歌 ↑ └──────┐ │矚目発想――待想独白――象徴畳句は不整頓な対句であつて、対句は鮮やかに相等を感ぜさせる畳句である。
— 折口信夫 『日本文章の発想法の起り』 青空文庫
矚目の事は、外景を叙して行く中に、段々考への焦点に入つて来る。
— 折口信夫 『日本文章の発想法の起り』 青空文庫