親猿
おやざる
名詞
標準
文例 · 用例
その猿の子供の方が親猿のよりもずっとよく人間に似ている。
— 寺田寅彦 『猿の顔』 青空文庫
それで、人間が非常に長生きをしたらだんだん親猿に似て来るかと思って考えてみる。
— 寺田寅彦 『猿の顔』 青空文庫
西洋の絵入雑誌などに時々現われる百歳以上の婆さんなどには実際かなりに親猿のような顔をしたのもあることはある。
— 寺田寅彦 『猿の顔』 青空文庫
すると、地べたにすわっていた親猿が心得顔に手を出して、手のひらを広げたままで吸いがらを地面にこすりつけて器用にその火をもみ消してしまった。
— 寺田寅彦 『あひると猿』 青空文庫
いつかも、負傷の子猿を伴れた親猿が、この近所の木に棲んで、何日もお湯へはいっていたという里の人のはなしだった。
— 林不忘 『煩悩秘文書』 青空文庫
僕は親猿に抱かれた子猿のように、かの老人に抱きすくめられていた。
— 海野十三 『深夜の市長』 青空文庫
橡の若葉が重なり合つて、路の上の空を遮つた枝には、二匹の仔猿をつれた親猿が、静に私たちを見下してゐた。
— 芥川龍之介 『槍ヶ嶽紀行』 青空文庫
与次郎は自分も貰い泣きをしながら、泣き叫ぶ赤児をようやく親猿から引離してヒトコ(懐ろ)へ入れ、親猿をショって山を下った。
— 新月の巻 『大菩薩峠』 青空文庫