盗汗
とうかん
名詞
標準
文例 · 用例
盗汗の洪水の中で、眼をさまして家人の、そのような芝居に顔をしかめる。
— 太宰治 『創生記』 青空文庫
毎晩の様に不眠症にかかつて、ねつけばすぐ盗汗がすると云ふぢやありませんか。
— 平出修 『計画』 青空文庫
ぐっしょりと汗をかきながら、踊っていた――と思ったのは、しかし、ふと眼をさましてみれば、盗汗だった。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
半年近いホール生活で、すっかり体をこわしたのだろうか、こんなに盗汗をかいてるわ――と思う前に、なぜ京ちゃんと踊っている夢を見たのだろうと、何か自分でも思いがけぬ触感のリズムが伴う胸苦しい甘さの後味に驚いていた。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
盗汗が軽く頸のあたりに出ているのを気持ち悪く手の平に感じた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
私も同時に寝台の上に起き直ったが、その時に私はビッショリと盗汗を掻いているのに気が付いた。
— 夢野久作 『一足お先に』 青空文庫
夜、盗汗をかいたり、恐ろしい夢を見るようになった。
— 小林多喜二 『工場細胞』 青空文庫
汗と盗汗との区別がおわかりになりますか?
— 一九三六年(昭和十一年) 『獄中への手紙』 青空文庫