法壇
ほうだん
名詞
標準
文例 · 用例
――ここの大池の中洲の島に、かりの法壇を設けて、雨を祈ると触れてな。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
その夜のうちに、池の島へ足代を組んで、朝は早や法壇が調った。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
紫玉は、色ある月の風情して、一千の花の燈の影、百を数うる雪の供饌に向うて法壇の正面にすらりと立つ。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
時に、宮奴の装した白丁の下男が一人、露店の飴屋が張りそうな、渋の大傘を畳んで肩にかついだのが、法壇の根に顕れた。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
―― あわれ、身のおき処がなくなって、紫玉の裾が法壇に崩れた時、「状を見ろ。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
十二 時を見、程を計って、紫玉は始め、実は法壇に立って、数万の群集を足許に低き波のごとく見下しつつ、昨日通った坂にさえ蟻の伝うに似て押覆す人数を望みつつ、徐に雪の頤に結んだ紫の纓を解いて、結目を胸に、烏帽子を背に掛けた。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
紫玉は、しかし、目前鯉魚の神異を見た、怪しき僧の暗示と讖言を信じたのであるから、今にも一片の雲は法衣の袖のように白山の眉に飜るであろうと信じて、しばしを待つ間を、法壇を二廻り三廻り緋の袴して輪に歩行いた。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
すぐに此奴が法壇へ飛上った、その疾さ。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫