枝折れ
えだおれ
名詞
標準
文例 · 用例
) すくッと立った電信柱に添って、片枝折れた松が一株、崖へのしかかって立っています、天幕張だろうが、掘立小屋だろうが、人さえ住んでいれば家業|冥利……(鋳掛……錠前直し。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
『僧祇律』に群猴月影水に映るを見、月今井に落ちた、世界に月なしとは大変だ助けにゃならぬと評定して、その一疋が樹の枝を捉え、次々の猴が各他の猴の尾を執りて連なり下る重みで枝折れ猴ども一同水に陥った。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
現に於ける我が悲恋は、雪風|凛々たる冬の野に葉落ち枝折れたる枯木のひとり立つよりも、激しかるべし。
— 北村透谷 『我牢獄』 青空文庫
一|枝折れば、ぱっと散る 二|枝折れば、ぱっと散る 三|枝がさきに日が暮れて東の紺屋へ宿とろか、南の紺屋へ宿とろか。
— 春のかはたれ 『桜さく島』 青空文庫
ここに桐の木の枝折れの痕が、瘤のようにできておりましょう。
— 国枝史郎 『娘煙術師』 青空文庫
」 なるほど桐の木の一所の幹に、瘤のような枝折れの痕があったが、見ればその瘤をグルリと囲んで、無数に針が突っ立っていた。
— 国枝史郎 『娘煙術師』 青空文庫
緋桜赤くぼかした八重ざくら、その蔭ゆけば、ほんのりと、歌舞伎芝居に見るやうな江戸の明りが顔にさし、ひと枝折れば、むすめ気の、おもはゆながら、絃につれ、何か一さし舞ひたけれ。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫
六 屋根の雪下ろしの次に雪の被害を被る著しいものとしては、果樹の枝折れを挙げることが出来る。
— 中谷宇吉郎 『雪』 青空文庫