大人しやか
おとなしやか
形容動詞
標準
gentle
文例 · 用例
「道、」「は、」と、答をし、大人しやかな小間使は、今座に直った勇美子と対向に、紅革の蒲団を直して、「千破矢様の若様、さあ、どうぞ。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
蝙蝠が黒く、見えては隠れる横町、総曲輪から裏の旅籠町という大通に通ずる小路を、ひとしきり急足の往来があった後へ、もの淋しそうな姿で歩行いて来たのは、大人しやかな学生風の、年配二十五六の男である。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
左右を※して、叱りもしない、滝太郎の涼しやかな目は極めて優しく、口許にも愛嬌があって、柔和な、大人しやかな、気高い、可懐しいものであったから、南無三仕損じたか、逃後れて間拍子を失った悪戯者。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
」 と大人しやかに真面目な挨拶、殊勝な事と小宮山も更り、「色々お世話だった。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
かれは高野山に籍を置くものだといった、年配四十五六、柔和ななんらの奇も見えぬ、懐しい、おとなしやかな風采で、羅紗の角袖の外套を着て、白のふらんねるの襟巻をしめ、土耳古形の帽を冠り、毛糸の手袋を嵌め、白足袋に日和下駄で、一見、僧侶よりは世の中の宗匠というものに、それよりもむしろ俗か。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
さすがにおぬいさんは少し顔を赤らめたが、少しも隠し隔てなく、渡瀬を信頼しきっているように、「もう十九になりますの」 とおとなしやかに答えた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
)あんなおとなしやかな人がどうして凄いのか、おれにゃあさっぱり呑み込めねぇ。
— 岡本綺堂 『影』 青空文庫
ひとり息子の余一郎というのは二十歳ぐらいで、色の白い、おとなしやかな人でした。
— 岡本綺堂 『怪談一夜草紙』 青空文庫
作例 · 標準
例句