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満艦

まんかん
名詞
1
標準
文例 · 用例
それにもかかわらず、Matsu・ホテルの青い建物では満艦飾のグロテスクな女が意気で猥雑なブラック・ボトンを踊り、天界ホテルでは白痴のマリが、薔薇の花の模様のついた着物の裾を危機一髪のところまでまくって、米国水兵のまえでチャルストンをジャズに合せて踊っていた。
吉行エイスケ スポールティフな娼婦 青空文庫
仮装舞踊会のように私は日覆いして夜の明けるのを待ったのだが、タンゴの太い曲線が寝床の夢を誘うように、彼女が夢のなかで、宵闇せまればレジエント街の並木道を満艦飾の女が馬車でカールトン・バアで卸して頂戴ネと馭者に云う と、低唱しながら屡々、ちえ!
吉行エイスケ 孟買挿話 青空文庫
都会に宵暗がせまって、満艦飾をした女がタクシーを盛り場にとめると、貴婦人気どりで歩道を行ったり来たりした。
吉行エイスケ 女百貨店 青空文庫
唐桟、角帯、紺の腹掛、白線の制帽、白手袋、もはや収拾つかないごたごたの満艦飾です。
太宰治 おしゃれ童子 青空文庫
鴎とびかう燈台のあたりを抜けて、船が岸壁に向おうとすると、すでに、満艦飾をほどこした歓迎船が、数隻出迎えに来てくれていました。
田中英光 オリンポスの果実 青空文庫
碧暗い海の潮を呑んでいる此の町の家々は彩紙で造った花紅葉を軒にかざって、岸につないだ小船も、水に浮かんだ大船も、ことごとく一種の満艦飾を施していた。
岡本綺堂 綺堂むかし語り 青空文庫
またそのあいだを幾艘の大きい遊覧船が満艦飾というように燈籠をかけつらね遊覧客を乗せて漕ぎ廻っている。
岡本綺堂 綺堂むかし語り 青空文庫
勿論、新聞記事には一行も書いて無かったが、向うの本桟橋の突端に横付けしている慶北丸が新しい万国旗で満艦飾をしている。
夢野久作 爆弾太平記 青空文庫