立杭
たちくい
名詞
標準
文例 · 用例
戒師は誰であったか、何の書にも見えぬが、保胤ほどの善信の人に取っては、道の傍の杉の樹でも、田の畦の立杭でも、戒師たるに足るであろうから、誰でも宜かったのである。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
備前などもあるが丹波になると立杭からいろ/\な徳利が出てゐる、瀬戸附近は無論のこと、東北地方も隨分あつて、人の知らぬ仙臺の田舍まで出來てゐる。
— 小野賢一郎 『やきもの讀本』 青空文庫
立杭焼の古いものだが、ガラス壺に合格せず、穴窯の外に捨てられたものらしく、歪んでかたちが崩れ、底に食っつきがある。
— 久生十蘭 『春の山』 青空文庫
こんな半端ものは、上下の両立杭や釜屋に行けば、十円もしない出来損いだが、よく見ると、彎曲してかたちの崩れた小判形が、まんざらではない。
— 久生十蘭 『春の山』 青空文庫
「吉あんちゃんが持ってきた立杭焼の壺みたいなやつだな。
— 久生十蘭 『春の山』 青空文庫
郷土愛につきもののお国自慢は、黒大豆の「大納言」、丹波栗、丹波布、立杭焼がある。
— 平野零児 『丹波篠山』 青空文庫
立杭と呼ぶ村で、今は兵庫県内の多紀郡|今田村に属します。
— 柳宗悦 『手仕事の日本』 青空文庫
同じ支那から渡った貧しい茶入に美を説きながら、なぜ立杭の壺に盲目であるのか。
— 柳宗悦 『工藝の道』 青空文庫