厄難
やくなん
名詞
標準
calamity
文例 · 用例
」と得意滿面、このたびの大厄難突破の次第を、唾を飛ばし散らしながら物語る。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
斯う考へると、實に愉快で/\堪らぬ、今や吾等の眼には、たゞ希望の光の輝くのみで、誰か人間の幸福を嫉む惡魔の手が、斯る時――かゝる間際に兎角大厄難を誘起すものであるなどゝ心付く者があらう。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
磨ぎ清したる三日月は、惜しや雲間に隠れ行き、縁の藤の紫は、厄難いまだ解けずして再び奈落に陥りつ、外より来れる得右衛門も鬼の手に捕られたり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
そりゃ可いが天窓の上にござるぶらんこがどうもはや、今朝は我が一生の厄難だ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
」と得意満面、このたびの大厄難突破の次第を、唾を飛ばし散らしながら物語る。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
そして又其の靈光神威に勵まされたことは、御伽談の魔力ある寶物を掌裏にした人が、一切の困苦や厄難を物の數ともせざるが如く、如何に二人に無限の希望と怡悦と勇氣とを與へて、四圍の慘苦の光景に堪へ、一身の氣分を緊張せしめた事で有らう。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
処が其夜は雪あがりで砂の厄難のないかはり、道が氷の上のやうにすべる、僕は物ともせず頸をすくめてどし/\歩きました。
— 國木田獨歩 『夜の赤坂』 青空文庫
これに反して、厄難に会ってからこのかた、いつも同じような悔恨と悲痛とのほかに、何物をも心に受け入れることのできなくなった太郎兵衛の女房は、手厚くみついでくれ、親切に慰めてくれる母に対しても、ろくろく感謝の意をも表することがない。
— 森鴎外 『最後の一句』 青空文庫
作例 · 標準
古くからこの地域では、大風や洪水などの厄難を避けるための祈祷が行われてきた。
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思わぬ事故が続き、まるで一族に厄難が降りかかっているかのようだと長老が嘆いた。
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厄難を払い除け、向こう一年の無病息災を願って護摩焚きに参列した。
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