板頭
いたがしら
名詞
標準
文例 · 用例
それはお駒が二十歳の冬で、それから足かけ三年の間、かれは伊勢屋の福の神としていつも板頭か二枚目を張り通していた。
— 張子の虎 『半七捕物帳』 青空文庫
「それはな」と甚内はいい悪そうに、「あの油屋の板頭、お北さんとの噂だが、お前の歌の変ったのも、そこらあたりが原因だろうと、宿中もっぱらの取り沙汰だが、おいらもそうだと睨んでいる。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫
」「へえ、板頭のお北さんで」「噂に聞けばお北さんは、馬子でこそあれ追分の名人、甚三という若者と、深い仲だということだが」「へえ、そうなのでございますよ」「可哀そうにその馬子は、それじゃこれからミジメを見るね」「それがそうでないのですよ」「そうでないとはどういうのかえ?
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫
宿の人達にでも洩らそうものなら、その人達はいうだろう、街道筋の馬子風情が、油屋の板頭と契るとは、分に過ぎた身の果報だ。
— 国枝史郎 『名人地獄』 青空文庫