没理
ぼつり
名詞
標準
文例 · 用例
その没理性的な感情の強烈さは、時に(本末顛倒的な、)執拗醜悪な面貌を呈する。
— 中島敦 『斗南先生』 青空文庫
其他、没理想の議論でも、ハルトマンの美学でも、ニイチエの美的生活でも、イブセンでも、オスカーワイルドでも、所謂自然主義でも、皆なさうである。
— 田山録弥 『明治文学の概観』 青空文庫
自然主義文学が没理想的であり、暗黒であり、暴露的であるのは、さうした社会環境にもとづくものであらう。
— 平林初之輔 『文学方法論』 青空文庫
」 滝本はローラを抱いたまゝ、突然――涙が止め度もなく滾れ落ちるのを知つたが、何だかもう得体の知れない感情に掻き乱されて、泥酔の奈落に転落して行く見たいな没理性状態に走つて、声を挙げて泣いた。
— 牧野信一 『南風譜』 青空文庫
そしてそれが一つにまとまって、没理性的な美しさとして心に残りますと、もういつしか、彼の方から彼女の姿を探し求めるようになっていました。
— ――近代説話―― 『白蛾』 青空文庫
没理想から受けた弊であろう。
— 折口信夫 『歌の円寂する時』 青空文庫
博士の所謂没理想の理想が、煩ひをなして、作家のもちあぢ(此は、役者の方と混雑して来ました。
— 折口信夫 『芝居に出た名残星月夜』 青空文庫
博士と鴎外翁との理想・没理想主義の争ひも、此点に、双方誤解を持つて居られたのではなかつたか、と考へます。
— 折口信夫 『芝居に出た名残星月夜』 青空文庫