万死
ばんし
名詞
標準
certain death
文例 · 用例
しかるに万死の貧民に向って道を譲らざる無礼を責め、無慙なる馬丁は渠を溝際に投飛ばして命縷将に絶えなんとする時、馬車は揚々として立去れり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
罪万死に当るべき暴言を吐いてゐるかも知れない。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
黄子澄、霊壁の敗を聞き、胸を撫して大慟して曰く、大事去る、吾輩万死、国を誤るの罪を贖うに足らずと。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
さらに悪いのは、オレにとってみれば万死に値する大罪を犯した編集者が、全くもって根性悪に見えなかった点である。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
かつ惟らく、儂は固より無智無識なり、しかるに今回の行は、実に大任にして、内は政府の改良を図るの手段に当り、外は以て外交政略に関し、身命を抛擲するの栄を受く、ああ何ぞ万死を惜しまんやと、決意する所あり。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
空しく獄裏に呻吟するの不幸に遭遇し、国の安危を余所に見る悲しさを、儂|固より愛国の丹心万死を軽んず、永く牢獄にあるも、敢えて怨むの意なしといえども、啻国恩に報酬する能わずして、過ぐるに忍びざるをや。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
伏テ惟ルニ臣田間ノ匹夫敢テ規ヲ踰エ法ヲ犯シテ鳳駕ニ近前スル其罪実ニ万死ニ当レリ。
— 田中正造 『直訴状』 青空文庫
「帰程忽及大猪水、水阻始通灘猶駛、渉夫出没如鳧※、須臾出険免万死」の初四句は、当時|渉河の光景を写し出して、広重の図巻を展ぶるが如くである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
作例 · 標準
この任務を失敗すれば、まさに万死に値するだろう。
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彼は敵の猛攻の中、万死を覚悟して戦い続けた。
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「もし成功しなければ万死だ」と、彼は静かに呟いた。
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