食いつき
くいつき
名詞
標準
bite (in fishing)
文例 · 用例
蜘蛛はまるできちがいのように、葉のかげから飛び出してむんずと蚊に食いつきました。
— 宮沢賢治 『蜘蛛となめくじと狸』 青空文庫
ツモれや紫、食いつきゃ紅よ。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
さかなの泳いでいるのは見えていながら、なかなか餌に食いつきませんよ。
— 岡本綺堂 『鰻に呪われた男』 青空文庫
こらッ、歯型も入れたな」 そう怒りながら、しかしだらしない声を出して少しはやに下り気味の自分が、つくづく情けなくなっていると、マダムは気取った声で、「抓りゃ紫、食いつきゃ紅よ、色で仕上げた……」云々と都々逸であった。
— 織田作之助 『世相』 青空文庫
福の神が、そんな食いつきそうな顔をするなよ」 ジャックはにくにくしげにいい放って、いまは自由のきかない杉田二等水兵の顔をぴしりぴしりとひっぱたいた。
— 海野十三 『浮かぶ飛行島』 青空文庫
大勢の士官と水兵との食いつきそうな顔が見えた。
— 海野十三 『浮かぶ飛行島』 青空文庫
すると隣に腰をかけていた鍛冶屋の大将が、旗男をかばうようにしたかと思うと、食いつきそうな顔で紳士をにらみつけた。
— 海野十三 『空襲警報』 青空文庫
一般ジャーナリズム(単行本出版を含めて)は時局物の名の下に所謂戦争ジャーナリズムに食いつきつつあるのだが、従来のような戦争ジャーナリズムの標準によっては、長く顧客をつなぎ止めることは出来まい。
— 戸坂潤 『戦争ジャーナリスト論』 青空文庫