幻辞.com

名詞
1
標準
文例 · 用例
ああわれはおそれかなしむまことに混鬧の都にありてすさまじき金屬の疾行する狼の音をおそる。
萩原朔太郎 蝶を夢む 青空文庫
白夜夜霜まぢかくしのびきて音をぬすむ寒空に微光のうすものすぎさる感じひそめるものら遠見の柳をめぐり出でしがひたひたと出でしが見よ 手に銀の兇器は冴え闇に冴えあきらかにしもかざされぬそのものの額の上にかざされぬ。
萩原朔太郎 蝶を夢む 青空文庫
女中達は假睡して行夫の聲や私の音を聞きつけたものは一人もゐないらしかつた。
有島武郎 小さき影 青空文庫
ひとえに御目玉の可恐いのも、何を秘そう繻子の帯に極ったのであるから、これより門口へかかる……あえて、のろけるにしもあらずだけれども、自分の音は、聞覚えている。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
その音が、他の音と共に、澄まして音信れれば、(お帰んなさい。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
先生がその肩の聳えた、懐手のまま、片手で不精らしくとんとんと枝折戸を叩くと、ばたばたと音聞えて、縁の雨戸が細目に開いた。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
行きがかりに目についた、お妙は直ぐに俯目になって、コトコト音が早くなった。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
」 優しくも教頭のために、腹案があったと見えて、淀みなく返事をしながら、何となく力なさそうに、靴を脱ぎかける処へ、玄関から次の茶の間へ、急いで来た音で、襖の外から、書生の声、「お嬢さんですか、今日の新聞に、切抜きをなすったのは。
泉鏡花 婦系図 青空文庫