手背
しゅはい
名詞
標準
文例 · 用例
わがこれにえ堪へで、前なる車の踏板に飛び乘りたるを、これに乘れる寢衣着たる翁とやさしき花賣娘とは、早くも惡劇のためよりは避難のためと見て取りぬと覺しく、娘は輕く我手背を敲き、例の玉のつぶて二つ投げかけしのみなれど、翁の打つ飛礫は雨の如くなりき。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
われは唯だ、御身が情は餘りに厚し、我身はそを受くるにふさはしからずと答へて、夫人の手背に接吻し、自ら勵まし自ら戒めて、淨き心、淨き目もて夫人の面を仰ぎ視たり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
盲人の敏き習として、少女はその常の錢ならぬを知りたるなるべし、顏は燃ゆる如くなりて、その健かに美しき唇は我手背に觸れたり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
私は再び君に見ゆることを得て、君の温なる唇を我手背に受け候ひぬ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
語り畢りて手をさし伸ばせば、マリアは跪きて我手を握り、我手背に接吻したり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
いざ尋常にご覚悟あって、その御手背にお廻わしあれや!
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
九七―九九師斯く、かの尊き民|手背をもて示して曰ふ。
— LA DIVINA COMMEDIA 『神曲』 青空文庫
後漢書に、以牛祭神とあり、広洲記に殺牛取血、和泥塗右手背祀とあり、これら神も真の神にあらず、牛馬も穢とせざるなり。
— 中山太郎 『穀神としての牛に関する民俗』 青空文庫