跳ね飛ぶ
はねとぶ
動詞
標準
文例 · 用例
その文體をたとへて云へば、一條の流れが涓々として走り來つて、灣曲また灣曲、渦を卷いてみどりの淵になると、堤上に生へて居る灌木の影を浸して、その深い穩かな水面がまゝ破れて、大きな魚の躍如として跳ね飛ぶことがあるのに似て居る。
— 岩野泡鳴 『神秘的半獸主義』 青空文庫
ダッ――と横に跳ね飛ぶと、砂地へ半身|埋めこんだように身をかがめ、当麻五郎のだんびらを守り構えの青眼に、二ツの眸は剣のミネをおもむろにたどって、月光をチカッと射る鋩子の先から、そこに生えぬけた対手の正体を見直しました。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
ガラスは割れる、徳利ははねとぶ。
— 坂口安吾 『いづこへ』 青空文庫
板の裂ける音、錠のはね飛ぶ音、――戸はとうとう破れました。
— 芥川龍之介 『アグニの神』 青空文庫
しかし『かん』という音がし、帆平の木剣がはね飛ぶと同時に、帆平自身は大きくつんのめって、まっさかさまに転倒し、転倒したままで一間あまり床板の上を辷った。
— 山本周五郎 『花も刀も』 青空文庫
その音は次第に高く大きくなり、暫時にして水の跳ねとぶ騒然たるものおとに変って行く。
— 島木健作 『鰊漁場』 青空文庫
小熊(2)同じからざる敵を同じからざる味方をもつて迎へ撃つ、炸弾は個性的に跳ねとぶだらう、確固不動の精神に前進を命じよう、濶達な青年としてたたかふ場所は広い、撃たれるものも撃つものも豊富である。
— 詩集(12)その他の詩篇 『小熊秀雄全集-13』 青空文庫