金唐革
きんからかわ
名詞
標準
thin leather with gold patterns (introduced from Europe during the Edo period)
文例 · 用例
国手、一個の書架の抽斗、それには小説、伝奇の類が大分|帙を揃えて置かれた――中から、金唐革の手箱を、二個出して、それを開けると無造作に、莞爾々々しながら卓子の上に並べられた。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
龍村さんの帯地の多くは、その独特な経緯の組織を文字通り縦横に活かした結果、蒔絵の如き、堆朱の如き、螺鈿の如き、金唐革の如き、七宝の如き、陶器の如き、乃至は竹刻金石刻の如き、種々雑多な芸術品の特色を自由自在に捉へてゐる。
— 芥川龍之介 『龍村平蔵氏の芸術』 青空文庫
それで幇間にその煙草入をくれてしまった、それが薄色珊瑚の緒〆に古渡りの金唐革というわけだ。
— 黒業白業の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
今そのかわりに、金唐革の鎧櫃が、ドッシリと飾られて――。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
また金唐革とか、紅革などと云われるものを製作したり、伽羅の木で源内櫛というのを作ったり、硝子板に水銀を塗って自惚鏡という鏡をも作りました。
— 石原純 『平賀源内』 青空文庫
また現に彼の遺品としては、磁針器と平線儀とが香川県の教育会議所蔵として残っており、エレキテルの一つは逓信博物館に、もう一つは志度町の平賀家にあり、金唐革張りの手文庫が秩父の久保道三氏の許にあるとのことです。
— 石原純 『平賀源内』 青空文庫
わしが行って探してやる」 金唐革の文箱に、大切そうに秘めてあった一通の手紙。
— 萩寺の女 『平賀源内捕物帳』 青空文庫
泥棒ならこんな結構な煙草入を盜らずに行く筈はない」 平次は染吉の死骸から拔いた金唐革の恐ろしく金のかゝつたらしい煙草入を月の光りにすかしました。
— 二枚の小判 『錢形平次捕物控』 青空文庫