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紙雛

かみびな
名詞
1
標準
文例 · 用例
紙雛、島の雛、豆雛、いちもん雛と数うるさえ、しおらしく可懐い。
泉鏡花 雛がたり 青空文庫
その折婦人|溜り所には、父親や財産のおかげで、結構な亭主を持つ事の出来た多くの婦人達が、紙雛のやうにきちんと、そしてまた紙雛のやうに何一つ考へないで立つてゐた。
大正七(一九一八)年 茶話 青空文庫
紙雛と同じ画の掛物、傍に桃と連翹を乱れさす。
正岡子規 墨汁一滴 青空文庫
こればかり焼け残りたりといふ内裏雛一対、紙雛一対、見にくく大きなる婢子様一つを赤き毛氈の上に飾りて三日を祝ふ時、五色の色紙を短冊に切り、芋の露を硯に磨りて庭先に七夕を祭る時、これらは一年の内にてもつとも楽しく嬉しき遊びなりき。
正岡子規 わが幼時の美感 青空文庫
いつか、まだ独身者であった時の百合子との散歩を僕はふと考えたものであったが、僕の後からゆっくり歩いて来ている彼女は、紙雛のように両袖を胸に合わせて眼を細めて空を見ているではないか。
林芙美子 魚の序文 青空文庫
別に買った雛も無いから、細君が鶴子を相手に紙雛を折ったり、色紙の鶴、香箱、三方、四方を折ったり、あらん限りの可愛いものを集めて、雛壇を飾った。
徳冨健次郎 みみずのたはこと 青空文庫
今日ふつうに雛壇に飾る人形は、種々雑駁なものになっているけれども、それは比較的近い時代以来の事で、いわゆる雛人形の原型というべきものは、きわめて簡単な立像の紙雛のみであった。
喜田貞吉 オシラ神に関する二三の臆説 青空文庫
いわゆる内裏雛がはやりだしてからは、こちらはだんだん衰えて、今では雛壇から影を消した場合が多いが、真の雛の名義の由来はこの紙雛について求むべきものでなければならぬ。
喜田貞吉 オシラ神に関する二三の臆説 青空文庫