雑仕
ぞうし
名詞
標準
文例 · 用例
これは附添の雑仕婦であったが、――博士が、その従弟の細君に似たのをよすがに、これより前、丸髷の女に言を掛けて、その人品のゆえに人をして疑わしめず、連は品川の某楼の女郎で、気の狂ったため巣鴨の病院に送るのだが、自動車で行きたい、それでなければ厭だと言う。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
女郎の本名をお千と聞くまで、――この雑仕婦は物頂面して睨んでいた。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
看護婦と雑仕婦とが、体温を取ったり、氷の世話をしたりしている。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
そして雑仕婦に手伝って、時々氷を取り換えたり、下の方の始末をしたりした。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
」と、雑仕婦は臀へ油紙を宛てがうときお庄に話しかけながら笑った。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
私が古なじみの雑仕婦の欲心と弱き女性の同情をねらうことを知らなかったなら、穴倉ながら今のようにこうして自由に振舞えるような境遇にはならなかったことだろう。
— 海野十三 『放送された遺言』 青空文庫
雑仕婦が用のすんだ便器をもって病室を出てゆくと、隣りのベッドの上に起きあがっていた中年の女が、「こういうところで、ものをたのむときにはブッチェ・ドーブルイ(すみませんが)といった方がいいんですよ」と教えた。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
自分は身動きもろくにできず日に幾度かとってのぐらつくところをガーゼで巻いてあるベルをふって雑仕婦をよび、糖尿病患者のユダヤの女に教えられたとおりブッチェ・ドーブルイと云って用を足してもらっている。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫