納まる
おさまる
動詞
標準
文例 · 用例
」 と言う顔を斜めに視て、「ですから、そんな打破しをしないでも、妙子さんさえ下さると、円満に納まるばかりか、私も、どんなにか気が易まって、良心の呵責を免れることが出来ますッて云うのにね。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
犬の口へぐたりとはまって、水しぶきの中を、船へ倒れると、ニタニタと笑う貸座敷の亭主の袋へ納まるんだな。
— 泉鏡花 『鷭狩』 青空文庫
出も、入りも出来るものか、と思っていましたけれども、あの太さなら、犬の子はすぽんと納まる。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
万次郎の運動によって、たとい此の事件が無事に納まるとしても、絵馬を掏り換えたままにして置くことは出来ない。
— 正雪の絵馬 『半七捕物帳』 青空文庫
おれ達は頼まれただけの仕事をして、丸多の主人の居所さえ突き当てりゃあいいようなものだが、唯それだけじゃあ納まるめえ。
— 正雪の絵馬 『半七捕物帳』 青空文庫
この行きがかりではどうでも一と騒動なくては納まるまいと、半七は黙って表から覗いていると、果たして二人の拳固が入り乱れて打ち合いをはじめた。
— 鷹のゆくえ 『半七捕物帳』 青空文庫
柚木にそうさせて置いてから、老妓はその反対側の腕の皮膚を自分の右の二本の指で抓って引くと、柚木の指に挾まっていた皮膚はじいわり滑り抜けて、もとの腕の形に納まるのである。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
笑いが納まると、婆やの顔は別の顔の様に変って見えた。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫