箇処
箇処
名詞
標準
文例 · 用例
二節―七節は何故われを苦むるかと、神に向って不平を並べし箇処である。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
十章八節―十二節に似たる箇処を旧約聖書中に求むれば、左記の如き代表的のものがある。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
これ死者は陰府にありてこの世の成行を感知し得ず、半醒半眠の中にただ自己の痛苦否運を感ずるのみとの、時代信念を背景として読むべき箇処である。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
波のひくのを待つて素早く通り抜けなければならぬところが幾箇処もあつたのだからね。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
人々は集り、三郎の泣き泣き指す箇処を見て事のなりゆきをさとった。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫
それへ出ると、何処でも広々と見えますので、最初左の浜庇、今度は右の茅の屋根と、二、三|箇処、その切目へ出て、覗いたが、何処にも、祭礼らしい処はない。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
……」 だのに、それから、十歩、二十歩とはまだ隔らないうちに、目の下の城下に火が起った――こういうと記録じみる――一眸の下に瞰下ろさるる、縦横に樹林で劃られた市街の一箇処が、あたかも魔の手のあって、森の一束を蒼空へ引上げたような煙が濛々と揚って、流るる藍色の川を切って暗くした。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
一箇処のみか二三箇処。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫