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散点

さんてん
名詞
1
標準
文例 · 用例
四月も末近く、紫木蓮の花弁の居住いが何となくだらしがなくなると同時にはじめ目立たなかった青葉の方が次第に威勢がよくなって来るとその隣の赤椿の朝々の落花の数が多くなり、蘇枋の花房の枝の先に若葉がちょぼちょぼと散点して見え出す。
寺田寅彦 五月の唯物観 青空文庫
自動車は、やはり、湖の岸をするする走って、やがて上諏訪のまちの灯が、ぱらぱらと散点して見えて来た。
太宰治 八十八夜 青空文庫
自分はこの流れの両側に散点する農家の者を幸福の人々と思った。
国木田独歩 武蔵野 青空文庫
ただ困る事には今の蓄音機に避くべからざる雑音の混入が、あたかも三色版の面にきたないしみの散点したと同様であるようにも思われる。
寺田寅彦 蓄音機 青空文庫
こういうものの並んでいる間に散点してまた実に昔のままの日本を代表する塩煎餅屋や袋物屋や芸者屋の立派に生存しているのもやはり印画記録の価値が充分にある。
寺田寅彦 カメラをさげて 青空文庫
二 とんぼ 八月初旬のある日の夕方|信州星野温泉のうしろの丘に散点する別荘地を散歩していた。
寺田寅彦 三斜晶系 青空文庫
その岩塊の頭を包むヴェールのように灰砂の斜面がなめらかにすそを引いてその上に細かく刺繍をおいたように、オンタデや虎杖やみね柳やいろいろの矮草が散点している。
寺田寅彦 小浅間 青空文庫
そうしてその錯雑した中に七五あるいは五七の胚芽のようなものが至るところに散点していることが認められる。
寺田寅彦 俳句の精神 青空文庫