糸柳
いとやなぎ
名詞
標準
weeping willow
文例 · 用例
雛祭青磁に亂るる糸柳の若芽をきざめる片枝がくれ、かざれる雛の玉の殿を誰が子か見入りて獨り笑むは。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
春知りそめつる糸柳の嫋えて見ゆるも哀れなるに、緋桃を浮けつる瓶子とりて、沈める思に注ぎてみまし。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
あるいは灯をともす石燈籠や○○○○○といふ十二字を得たらば「梅の花」「糸柳」「糸桜」「春の雨」「夕涼み」「庭の雪」「夕|時雨」などそのほか様々なる題をくつつけるなり。
— 正岡子規 『墨汁一滴』 青空文庫
しかし、この自然界の中にも同じ線でありながら固い線、柔らかい線、葉の硬い蘭のような、また万年青のようなもの、あるいはまた、春に新芽を吹き出します糸柳、これはなよなよとしてまことに柔らかな、非常にいい線であります。
— 北大路魯山人 『芸術的な書と非芸術的な書』 青空文庫
一点一線を自然界から学ぶという事は、例えば以上の一二の比喩の如く、蘭なり、万年青なり、糸柳なりのような、自然的な線をもって字を書いていかなければならないと思います。
— 北大路魯山人 『芸術的な書と非芸術的な書』 青空文庫
度々申しますが、素直な糸柳はフラフラしておるからいけない、という事はいえないのであります。
— 北大路魯山人 『芸術的な書と非芸術的な書』 青空文庫
上野や向島や御殿山の花もいつか散りそめ、程ちかき人形町界隈の糸柳めっきり銀緑に萌え始めてきた頃、やっと次郎吉は雑魚の魚まじりながらに、師匠の描いた絵草紙の下図へ絵の具を施すくらいのことはできるようになってきた。
— 正岡容 『小説 圓朝』 青空文庫
「目ぐすりの看板かけむ糸柳」となっている本もあるが、いずれにせよ店の前に柳の垂れた、長閑な景色が目に浮ぶまでで、強いて柳と看板との関係を限定するにも及ばぬようである。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
作例 · 標準
公園の池のほとりに、風に揺れる糸柳が美しかった。
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イトヤナギの細い枝が水面に届きそうだった。
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春になると、糸柳の芽吹きが季節の訪れを告げる。
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