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薄黄

うすぎ
名詞
1
標準
文例 · 用例
急に、あれだ、またそこらじゅう、空も、船も、人の顔も波も大きい大きい海の上さ半分仕切って薄黄色になったでねえか。
泉鏡花 海異記 青空文庫
少し茶色のだの、薄黄色だの、曇った浅黄がございましたり。
泉鏡花 菎蒻本 青空文庫
車夫の提灯が露地口を、薄黄色に覗くに引かれて、葛木はつかつかと出て、飜然と乗ると、楫を上げる、背に重量が掛って、前へ突伏すがごとく、胸に抱いた人形の顔を熟と視た。
泉鏡花 日本橋 青空文庫
ほとんどその半身を蔽うまで、堆い草の葉|活々として冷たそうに露を溢さぬ浅翠の中に、萌葱、紅、薄黄色、幻のような早咲の秋草が、色も鮮麗に映って、今踏込むべき黒々とした土の色も見えたのである。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
――その向うに、こんな夜更には、水の妖精が、面を出して、人間界を覗く水目金のような、薄黄色な灯が、ぼうとして、(蕎麦アウウ……)――と呼ぶんです。
――(前題――楊弓) ピストルの使い方 青空文庫
こゝを通拔けつゝ見た一軒の低い屋根は、一叢高く茂つた月見草に蔽はれたが、やゝ遠ざかつて振返ると、その一叢の葉の雲で、薄黄色な圓い月を抱くやうに見えた。
泉鏡太郎 深川淺景 青空文庫
」 自動車を引戻し、ひらりと下りるのに、私も続くと、雨にぬれた草の叢に、優しい浅黄の葉を掛けて、ゆら/\と咲いたのは、手弱女の小指さきほどの折鶴を乗せよう、おなじく折つた小さな薄黄色の船の形に連り咲いた花である。
泉鏡太郎 十和田湖 青空文庫
空蝉の尼君には青鈍色の織物のおもしろい上着を見つけ出したのへ、源氏の服に仕立てられてあった薄黄の服を添えて贈るのであった。
玉鬘 源氏物語 青空文庫