聴出
ちょうしゅつ
名詞
標準
文例 · 用例
あの見得坊が、あんな変梃な姿の絵なんぞを若し人にでも訊かれて、ハイこれは私の兄であります、なんて吹聴出来る筈はない、吾々の故郷では当時斯様な姿をしてゐたものです、それ位ひの愛嬌で、ほんの標本にされてゐるだけなんだ。
— 牧野信一 『鱗雲』 青空文庫
しかしこれもあなたの前だけに、――河童でないあなたの前だけに手放しで吹聴出来るのです。
— 芥川龍之介 『河童』 青空文庫
自叙伝係をやっているとはまさかに吹聴出来ない。
— 佐々木邦 『ガラマサどん』 青空文庫
あんな明けつ放しで、あんなに仲が良いんですもの」 お伊曾から聽出せるのはこれが全部です。
— 茶汲み四人娘 『錢形平次捕物控』 青空文庫
半九郎の身許前身を、得意の順風耳で聽出して來るつもりでせう。
— 雛の別れ 『錢形平次捕物控』 青空文庫
」「お前は喜三太の繩を解いてやつた上、いろ/\の事を聽出して見るが宜い」 平次はこれだけの事を言ひつけて、隣りの矢並行方を訪ねて見ましたが、此處は戸が締つて、昨日から留守、この上手の下しやうもなかつたものか、諦めた樣子で明神下へ歸つてしまひました。
— 死人の手紙 『錢形平次捕物控』 青空文庫