対物
たいぶつ
名詞名詞-の形容詞
標準
pertaining to objects
文例 · 用例
そうしてカメラの対物鏡は観客の目の代理者となって自由自在に空間中を移動し、任意な距離から任意な視角で、なおその上に任意な視野の広さの制限を加えて対象を観察しこれを再現する。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
而もこの安全行動は絶対物からは遥かに遠いもので、言はゞ科学世界の極微動物乃至は単なる顕微鏡学者とも云ふべきであつて、これから原始的事実、唯一正当な事実の発展、つまりは法則と称ふべきものに到達するのは困難なことに気づかない。
— 牧野信一 『嘆きの谷で拾つた懐疑の花びら』 青空文庫
人間の行為が、その人の主義ではどんなに善意からされたものであろうとも、客観的事情からは反対物となり得る。
— ――アグネス・スメドレーとパァル・バック―― 『中国に於ける二人のアメリカ婦人』 青空文庫
「皆さんと話しながら、検査したいから、この机の上へ持ってきて、電球を取りかえて、検査のできるようにしてくれないか」 やがて用意ができると、俊夫君はポケットから皺になった紙包みを取りだし、その中の塵埃を、耳かきですくって、対物ガラスの上にのせ、顕微鏡でのぞきました。
— 小酒井不木 『塵埃は語る』 青空文庫
その実際に立ち到って、妻としての婦人作家は、いつか作家である良人とズンズン押されて行っていた自分との間に、文学の本質の解釈において距離の生じていることを発見し、嘗て進歩的意義に輝いていた彼等の家庭が計らず質の上で反対物としての役目をもつものと成っている事実に苦しむのである。
— 宮本百合子 『夫婦が作家である場合』 青空文庫
良子嬢が東郷元帥の孫としてのつまらない生活の反対物をカフェーに見出したところに、子供のうちから消費生活にだけ馴らされた娘の気分と、今日の貴族階級が生活感情の実質においては、赤化子弟に対する宗秩寮の硬化的態度に逆比例するデカダンスや低俗なエロティシズムに浸透されていることが分る。
— 宮本百合子 『花のたより』 青空文庫
処でデマゴギーとは悪宣伝即ち又虚偽宣伝のことで、つまり本当の宣伝の社会的内容の入れ替ったものの意味だが、そういうものは取りも直さず、啓蒙の正反対物にも相当するわけだろう。
— 戸坂潤 『啓蒙の現代的意味と役割とについて』 青空文庫
で、啓蒙の反対物たるデマゴギーの方が、国家機構の上で目的意識化された機関を有たない時に、啓蒙や其の宣伝の方の社会的機能も亦、社会的にそういうものとして公認されないのは無理ではあるまい。
— 戸坂潤 『啓蒙の現代的意味と役割とについて』 青空文庫
作例 · 標準
その顕微鏡には対物レンズと接眼レンズの両方があります。
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このカメラは対物撮影に特化して設計されています。
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分析対象となる物体の材質的特性を考慮する必要があります。
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